Foca Oplarex 50mm f1.9 (Screw/Bayonet)
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

(Screw)
・製造メーカー :  Foca
・製造番号 : 14270
・設計者 : Charles Henri Florian (推定)
・製造年 : 1954-55
・特許番号 : N.A.
・特許申請日 : N.A.
・レンズ構成 : 4群6枚 ダブルガウス型
・重量 :  114g
・最小絞り値 : f18
・絞り枚数 : 12
・最短撮影距離 : 1m
・マウント : Focaスクリューマウント
(Bayonet)
・製造メーカー : Foca
・製造番号 : 10035
・設計者 : Charles Henri Florian (推定)
・製造年 : 1948-9
・特許番号 : N.A.
・特許申請日 : N.A.
・レンズ構成 : 4群6枚ダブルガウス型
・重量 :  186g
・最小絞り値 : f22
・絞り枚数 : 12
・最短撮影距離 : 1m
・マウント : Focaバヨネットマウントト
4群6枚ダブルガウス(Screw/Bayonetとも)
ごく一部の初期型(Oplar名)に可能性のある5群6枚

(Screw)
(Bayonet

Lens Impression

FOCAのレンズ交換式レンジファインダーカメラにはPF型と呼ばれるスクリューマウントのものと、ユニバーサル型と呼ばれるバヨネットマウントのものがあります。他にもレンズ固定式のスポーと一番レフのFOCAフレックスがありますが、それらには今回のOplarexは装着できません。

Oplarexのレンズ構成は、ある本によるとスクリューマウントが5群6枚、バヨネットマウントが4群6枚とされていますが、今回のレンズを分析したかぎりにおいては、両方とも4群6枚のダブルガウスのように思います。さらに複数の修理専門家からも4群6枚のダブルガウス以外見たことがないという証言をいただいています。

但し、Oplarexの初期に同じf1.9で「Oplar」名のものが少数あり、それらはレンズ枚数が多いという情報があるので、今後発見できたら確認したいと思います。


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FOCAカメラの製造を行ったのはルヴァロワ光学精機社O.P.L.( Société Optique et Précision de Levallois, S.A.)社である。同社が35mmフォーマットのFOCAの製造を行った期間は1945年から1965年と長くはない。しかしその前身は1907年から始まっており、しかも創始者のArmand de Gramont(1879-1962)は、単なる起業家でも研究者でもなく、正式にはAntoine(XII12世) Agenor Armand de Gramont(Duc de Gramont グロモン公爵)という名のフランスの貴族であった人物である。

国王以下のフランスの貴族の称号(男性)は、①王子、大公Le Prince、②公爵Le Duc、③侯爵Le Marquis、④伯爵Le Comte、⑤子爵Le Vicomte、⑥男爵Le Baron、⑦騎士Le Chevalier、⑧平貴族Le Ecuyerと続く。中でも公爵は王家と連なる血筋の家系が多く、まさにArmand de Gramontはフランス貴族としては最も高い位にあった人物であったと言えよう。

今回取り上げるOplarex 5cmf1.9は1948年に36mm径のスクリューマウント用が先行して生産が始まったが、バヨネットマウント用も間もなく開始され、並行して生産されていった。製造番号は明確に整理されたものはないが、重複する番号帯や,番号と製造年代が前後逆転している場合もあり、わかりにくい。下図でF1.9のバリエーションと製造番号をまとめておくが例外も見られるようだ。

「--rex」という名称は「king of--」ということでその機種の最高ランクのものに用いられることが通常であるが、なぜバヨネットマウント用Oplarexの初期に 「Oplar」名が付されたのかは不明である。ただ、当時はライカM3の発表前であり、スクリューマウント用を上級と考えていた可能性は否定できない。
一方で、スクリューマウント用Oplarexの最後期に番号の逆転があるのは、当時ライカと競合しつつ主力となっていたバヨネット用に、より高級感のある真鍮クロームメッキ鏡胴の使用を開始していたので、在庫で残った8万番台のヘッドを急遽スクリューマウント用に変更したためではないかと言われている。もし事実だとすれば、時代の変遷をうかがい知れる面白いエピソードである。

O.P.L.社は特許の申請を社名で行うことが多かったことなどからOplarexの設計者は不明である。しかし第二次大戦中にArmandがわざわざBerthiot社から「Flor」レンズの設計者であるCharles Henri Florianを招聘していることから、設計を指導したのはFlorian と考えるのが妥当であろう。(後に両社は合併する)


 Photos with FOCA Oplarex 50mm f1.9
 
Comment
2018
Roppongi & others
(六本木その他)


スクリューマウント
1枚目も自分の画像にしてはなんとなくお洒落っぽい?やはりFOCAの魔法にかかったかな?赤の輝きも青の再現力も悪くないですね。

下のバヨネットマウントレンズよりも少し早く作られたと思われるレンズですが、描写は非常に似ていると思います。
2018
Roppongi & others
(六本木その他)


バヨネットマウント

FOCAのレンズはフランス貴族が作っただけあってパリみたいにお洒落に写る?とは言い過ぎですが、作例を見てみるとなんとなくポンピドーセンターっぽかったり、マロニエの葉みたいに見えてしまうのは不思議です。柔らかいながらもとてもしっかりした写りが共感が持てます。

     
 
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